現在、フダヤドットコムにある中で最高額の木札。
てっきりブログでも紹介したつもりでおりましたが、弊社サイトで掲載して、済んだものと思い込んでおりました。
これまでに何度、何回とかいう程度はなく、1000のお問い合わせを超えているかもしれない・・・
「青黒檀のだるま札ってないんですよね!?」
でも、ないものはないんです。。。が!!!とうとう木取り出来るに至ったのです。
3×6cm厚み7mmがどれほど大変なのか改めて書き尽くしてみたいと思います。
まず木札のレアには、レアの種類があります。
1.大きな木取りが出来ないレア
2.個体数が少ない入手困難レア
3.不規則な柄の出方レア
4.1~3が複数絡むレア
これらのレア素材も、木の質感が良いからこそ重用されているという大前提は忘れられません。
で、肝心な「青黒檀のだるま札」は、どんなレアかと云いますと、「2.個体数が少ない」のもそうですが、もう1つの要因が圧倒的に「1.大きな木取りができない」ということなのです。
青黒檀は、加工品にできる成木に成長しても、木取りできる樹種の幅は15センチ程度にしか成長しません。
ちなみにフダヤドットコムで一番大きいサイズ3×10センチの「みりょうサイズ」の木札で青黒檀のサイズ感をご覧ください。
成木でも、直径10~15センチ程度の太さにしか成長しないのです。
この断面が光っているのは、そのまま保管すると割れ裂けが進む可能性があるので、断面をボンドにて補強して保管をしておりますが、よくみると断面にも割れ裂けが入っているのが見えます。
鮪の仕入れではありませんが、こうした断面や側面から木材の中を想像して買い付けするのですが、こればかりはなかなか思うように当たりません。。。
そして、木札の厚みにまでは業者様にお願いして整えてもらいますが、この時点で質量はかなり目減りしてしまいます。
製材仕立ては樹種の成分から緑褐色をしております。
「真っ黒ではなく緑!?」と思われるかもしれません。
製材して直ぐは英名Green Ebonyと云われるが如くの様子ですが、空気に触れてしばらくしますと、緑の成分は無くなり、落ち着いた深みのある黒色に変化してまいります。
そこで、先程の半分に割った材を並べてみます。
幹の中心が左側の幅の広い材、右側にいくにつれ外側ということになります。
何となく見てお分かりのとおり幅の広い中心の方は、表面が荒れていて使えそうもありません。
状態の良さそうな板の幅の狭い方を拡大。
こちらの方が黒く状態がよさそうに見えますが、よく見ると大き目の裂傷もいくつか見えます。
また幅の広い材は中央に茶色の部分が目立っています。
こうした部分もある程度は黒く変色していきます。しかし、色が強く消え切らな場合には省くかアウトレットへ。
青黒檀ですから磨き上げた手触りも良く質感は保証つき、片側はほぼ真っ黒の素材もあったりましますが、気に素材はアウトレットへ回ります。
このように青黒檀の一番の大きな弱点は、加工品にすべく木を乾燥させる時点で「割れ裂け」がとても多く発生してしまう素材であるということです。
この状態から使えそうな部分を見つけながら木取りしていきます。
また、表面を磨く前に木札の寸法に切り分けてしまうと表面を綺麗に磨きあげることができないので、ある程度長さに余裕をもっての木取りが必要です。
青黒檀の通常も5mm厚と、大きさに対してしっかいと厚みのある重厚感にしておりますが、「だるまサイズ」は、さらに2mm暑い7mm。
残念ながら青黒檀のだるまサイズは現品しかありませんので、「だるま」の彫刻見本は「黒檀まぐろ札」です。
この幅、厚みをもって、割れ裂けの多い青黒檀から無傷で木取りすることは不可能と思っておりましたところ!
奇跡的に1本だけ無傷の青黒檀の素材を手にすることができたのでございます。
あっ!
ごめんなさい無傷じゃなかった。。製材したら小さい節のポツが一か所でてしまったのですが、
幸いにも、端っこの方でしたので、だるま札の素材に木取りすることができました。
この厚み幅でこの棒状であること自体が奇跡と思われます。
この様な稀少性のある素材なので、かなりの高額となります。
しかし、この額で仕入れられる青黒檀の原木を状態をみつつ木取りしても、この厚み、この太さで再度、木取りできる保証と申しますか、可能性も限りなくゼロに等しいと自負するお値段を付けさせて頂きました。
この金額を出しても次が取れる可能性がほぼゼロ。
この3倍くらい用意すれば木取りできるのか?できないのか?
細かく割ってみることもできませんし。
もう一度、手前の縦長の彫刻見本は青黒檀のジャンボサイズ、奥のだるま札は黒檀まぐろ。
青黒檀だるま札は現品しかありませんので彫刻見本はありません。
彫刻見本は「黒檀まぐろのだるま札」
「黒檀まぐろ」もここまで黒いものは、とても稀少で高級な素材です。
縞黒檀と本黄楊と比較すれば、ほぼ真っ黒の素材です。左から本黄楊、黒檀まぐろ、縞黒檀
しかし、青黒檀と比較しますと!
黒さの質の違い、「青黒檀」と「黒檀まぐろ」の見分けも付こうかと思います。
それでは、こちらはどうでしょう!?
もう、「違いが分かる男!」になっているでしょうか!?
「黒檀まぐろ」は木管という表面の筋が多少多くあります。「青黒檀」もありますが、極少ないので仕上げた質感もこうして違います。
最後にもう1つ!?
1木だけ青黒檀。そうです、これが「青黒檀」と「黒檀まぐろ」の質感の違いです。
「青黒檀」んぽ彫刻見本は、縦長タイプの素材しかございませんので、こちらをご覧ください。
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