一番人気の本黄楊材(ほんつげ)は、国産黄楊の中でも最高峰の一つに数えられる御蔵島産を当初より使用。
島黄楊は、過酷な環境で育ちますので、より密度が高く堅く丈夫に成長いたします。
こうして半割にされた素材から吟味することなります。
指定の厚みに加工していただくまでお願いして、木取り成形や磨きなどをしていくのですが、
一見、綺麗に見える板材ですが反対側の面を見ますと!
この板材の厚みは5mm、先程の面から5mmの差でこれ程の節を想像できるでしょうか?
さて、もう一度、今回吟味する素材を確認してみます。
手前の一番細い材は、一節あるものの木肌全体が良好なので即決。
さて、太い方の2本。
手前の太い方は木札の右下にある黒っぽい線が気になります。
どちらも中央の割れは乾燥時に発生してしまうもので致し方ありません。
もう少し拡大してみてみますと、やはり手前の黒い筋が気になるのと、中央割れ目の反対側の表面にも、黒い筋がちらほら見えるのが気になります。
画像奥側の材は、黒い節が2点目立つものの木肌表面は手前の材より綺麗な様子です。
そして、反対側の木の表面の部分もチェックします。
即決した手前の細めの材。こんなに綺麗な部分は全体のほんの一部分でしかないことがわかります。
こうした材ばかりから選べれば良いのですが、それほど甘いものではありません。
ほとんどが半割材の中から選定することとなりますが外側から何を判断するのかと言えば、内側からは見えない節の部分がないか?また別の割れなどがないかを確認して選定いたします。
今回は奥側に決定!早速、加工が終わり板材が届いたので確認してみます。
ざっと、見た所では木肌も綺麗な様子。
まずは、即決した細い方の材からチェックしてみます。
中央に見えない節が1つありましたが、かなり良好なようです。反対の面をみてみます。
もう1つ節がありましたが、この程度なら大成功!
過去には3cmにもなる大きな黒い節が、この程度の綺麗な材の中に潜んでいたこともありましたが、
そう考えますと、こうした細かい歪はご愛嬌!
この部分を木札に使えるのか否かは、木札に成形してからの判断となりますが、1本目はかなりの良材であると一安心。
さて、肝心な半割の大きい方の材はどうでしょう!?
じゃん!
この節は、仕入れの時に見えていたもので想定内。
まずは、裏側をみてみます。
気になるといえば、この小さい黒い滲みが気になる程度。
!ん
黒い節が消えたということは!!次の板材は!!!
なかなか綺麗ではありませんか!嬉しい!!!
ここまでいいと次の板材も期待できますよ~えいっ!!!
ブラボーーーーーー!
なんとこれまた綺麗な木肌がのぞいて見えますよ!(ちょーーーうれぴーーー心の声)
しいていうなら、こうした年輪の模様が気になるといえば気になるけど、
こうした部分も木札に成形して目に障ると判断した場合には、省いているのでございます。
締めは、いつものルーティンで氏神様へお参りしてから製材を始めます。
・・・
ここまで厳選しても、木の質自体がよくないこともあります。がしかし、その逆もありまして、見た目の予想に反して仕上がりの良いこともあるのです。
一期一会。
良い木札を誕生させるために、できることは手を抜かずに尽くしてまいります。
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