全く違うように見える3本の板材ですが、それぞれ何の木でしょうか?
昨日の記事も同じような画像でありましたが⇒本黄楊材(つげ:御蔵島産)の仕入れについて、素材との一期一会な巡り合わせを、かなり詳しくご説明をさせていただきました。
比べるとかなり大き目の素材で、黄楊と違う素材であることは分かりますが、これだけの情報では何の木かはわかりませんよね?
3本、それぞれ違う素材に見えますが、全て同じ「さくら材」です。
そして桜にも色々種類がありますが、当方で使用しているいわゆる「本桜」と呼ばれる山桜系種類でも、これだけ個体差があるのでございます。
みなさんなら、どの素材を選びますか?
中央と右側が見た目は綺麗な様子ですが、私が選んだのは
一番左の色味の濃い素材です。
こうした黒い滲みもありますが、今日みた30本程の板材の中では唯一この素材だけが私のお眼鏡に叶ったのでございます。
昨日の本黄楊の選別は木肌の綺麗な素材を選んでいたのに、なぜ「さくら材」は木肌の綺麗さで選ばないのか?
効率だけを考えるなら選ぶのは間違いなく真ん中や右側の素材。木肌が綺麗ですからロスも少なく、多くの木札が木取りできるはずです。
それなのに、なぜ?黒い滲みもある素材をわざわざ選ぶのか?
一言で云えば、当方で作る木札に向いているからです。
仕上がり時の状態だけでなく、丈夫で長持ちということも加味しますと間違いなく一番左の1本なのです。
ネットでは質感が伝わりませんが、恐らく、実際にご覧いただいても、良し悪しは区別つかないと思います。色々と試して経験して分かったことですから。もちろん、実際に試して木札にしたこともあります。
ありますが、仕上がり時はまぁそれなりに見えますよ。同じさくらの木ですから。
でも、仕上がり時の光沢が今一だったり、どことなく軽く感じる。すなわち密度が低い、ということは長く使った時の摩耗にも弱いということに繋がります。
パット見は、それなりに見えちゃうんです。
がしかし、横で並べたら一目瞭然だと思います。当方には、こうした厳選した素材しかありませんので比較のしようもないのですが、同じ「さくら材」でもこれだけ違うのでございます。
最後に、ここまでは仕入れの時に出来ることですが、自然素材ですから、少し使ってみて良い時もあれば思わしくないこともあるのです。
デッドストックも貯まっていきますが、オーダー品には使いづらいというだけで、販促品やこうした素材でもOKな既製品などに使っているのでございます。
こうした当たりハズレもありますが、仕入れは楽しいですね。足しげく通うことで思わぬレア素材との一期一会も期待できますし!
さて、今回の「さくら材」中の状態はいかに???
◆ブログ
の記事