木札の由来でもある
火消しの「消し札(組名の入った木札)」
その火消したちが活躍した江戸の頃は
「火事と喧嘩は江戸の華」 といわれるほどに火事が多く
いまでこそ江戸時代の代名詞として使われる言葉であるが
当時の民衆にとっては一番恐れていたのが
『 火事 』
消防技術も発達していなかった当時は
ひとたび火の手が上がると
相当な勢いで燃え広がった。
有名なところでは「明暦の大火」
「振袖(ふりそで)火事」としても知られる
この火災では江戸の約6割を消失、
死者も10万人にもおよびました。
この当時の消火活動は6万石以上の大名に組織させた
「大名火消し」がしておりました。
この大火を教訓に以下の旗本に「定火消し」を設置しましたが
どちらも基本的にはお武家様の組織であり
当時の封建制度からすると町人を守ってくれるという
意味合いは低かったと想像されます。
そして町方に自衛的な組織が作られたのが、
いわゆる「町火消し」で
テレビでも有名な大岡越前が差配して作られたのが
前出の「明暦の大火」後、約60年経ってのことである。
また、消火組織だけでなく町の区画なども整理し
広小路などをつくり火よけ地にしたり
大川(隅田川)に橋を架け逃げ道を確保することにより
以降の大火では死者を激減させることができました。
とは、いいましても現在のような消火消防ではなく
火の回りの家を壊す破壊消防でしたので
効率の悪さは良いとはいえません。
その火災の中で火に立ち向かう火消しは
かっこいい男の代名詞だったことはいうまでもありません。
火事を止めた「消し口(延焼を止めた所)」には
火消しの心意気、魂がこめられた
「消し札(組名の入った木札)」 が掲げられ、
纏(まとい)と共に
火難厄災をのがれる縁起のよい意匠(デザイン)とされ
町民に親しまれておりました。
□由来を知って木札を語る
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