木札の由来でもある江戸火消しの「消し札」
「消し札」って、みなさんご存知ですか?
町火消しが火事の延焼を防いだ所に、
消し口(消火を防いだところ)をとった印として
組名を記した木の札を掲げました。
「め組」とか「ほ組」とか
「火事と喧嘩は江戸の華」ともいわれるほど、江戸の町は火事が多かった。
ひとたび、火の手が上がると江戸中が大騒ぎ!
時には江戸の半分以上を焼き尽くし10万人以上の犠牲者をだした事もあった。
中でも有名な「明暦の大火」では江戸城も消失。
今はなき天守閣も「明暦の大火」以降、再建されることはなかった。
当時の消火は破壊消防。
水で火を消すのではなく鳶口(とびくち)や掛矢(大きな木槌)などで
風下の家屋などを壊して燃え広がらないようにするということ。
したがって、町火消しは日頃から建築などに従事している
「鳶の者」がほとんどであった。
家屋の構造を知るものは壊し方のコツもよくわかる。
とはいうものの、現在の消防より格段に効率が悪いのはいうまでもない。
命を落とすこともしばしばあった。
しかしながら、迫りくる危険をかえりみず火事に立ち向かってゆく
「火消し」は、おとこ気にあふれた命知らずの勇者とされ
江戸のカッコいい男の代名詞でもあった。
「火消し」の心意気がこめられた現場の屋根の上で振る「纒(まとい)」、
消し口に掲げた「消し札」は、
以来、『火難、災厄を逃れるめでたい縁起物』として
庶民の染物の図案などに盛んに使われておりました。
木札のルーツでもある「消し札」は
『火難、災厄を逃れるめでたい縁起物』であったのです。
□由来を知って木札を語る
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