浅草鳥越
名入れ 彫刻木札専門店
代表職人芳雲の木育て日記

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2016年2月12日(金)

隅から隅まで大入りの願掛け

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さて、これは何と彫刻されているでしょう?

隅から隅まで隙間なく

江戸の頃には、これを速く読めると「通(つう)」って事になった訳ですが、、さて、、、3文字ではありません。

私が手がけるお木様(おこさま:木札)は、画面いっぱいに文字を大きくし、その中でバランスをとっているのには、訳があります。

芳雲のお木様(おこさま:木札)

商売繁盛のなど大入りを願う願掛けとして「隅から隅まで隙間なくお客様が沢山入りますように!」画面いっぱいに大きく文字が書かれているのは、こうした願掛けの意味があるからです。

さらに、皆さんに「縁起のいい事や福が沢山きますように!」の意味を込めて元気いっぱいになるよう、なるべく画面一杯に大きな文字でバランスを調整しております。

神社に張られている千社札や、昔の興業などのチラシで書かれた文字が太く書かれているのはこうした意味が込められていたのです。

それでは!もう一度最初のお木様、何と書いてるでしょうか?

隅から隅まで隙間なく

「隅から隅まで隙間なく!」大入りの願掛けの意が込められているのですが、
ここまで隙間なく、平たく隙間なくするとなかなか読めません。

でもですね、通(つう)はこれをいち早く読んだのだそうです。では!

ヒント1

ヒント1

ん!
何かの催しもの???

それでは、1つ1つを拡大してみてみます。

丙申歳新春興業 大入り願掛け

ふむふむ、、、

たしかに、文字間の隙間は限りなく小さくなっています、、、

助六由縁江戸櫻 大入り願掛け

でも、読みにくいことは確か、、、

なるほど、、、さて、、、

仮名手本忠臣藏 大入り願掛け

もう、お分かりの方もいるかもしれませんが、

第2 ヒント~

ヒント2

さらに、もう少し文字を引き伸ばしてみます!

少し伸ばしてみました

何となくお分かりいただけたと思いますが、
文字以外の隙間が少しずつ大きくなっていることも分かります。

その分、文字が見やすくなっている事実もあります。

昔の興業などのチラシの文字をみますと、
それだけ願掛けにこだわった太い書体でありながら
しっかりと「読ませ伝える」という職人の心意気を感じてなりません。

外題の「丙申歳新春興業」は、隙間なく書かれますが、本来であれば、演目である「助六由縁江戸櫻・仮名手本忠臣藏」は、もう少し見やすく意味合い毎に分けて書かれました。演者もしかり。

それでは、もう一度、ご説明の為に比較でならべてみます。

外題 演目 長さ見比べ

先の名人の方々には遠く及びませんが、
私、芳雲も「隅から隅まで!」や、手にして下さった方に「縁起のいい事や福が沢山きますように!」と、願いを込めてお作りしております。

さらに!
名札としても意味も成すよう読み取れるよう一文字一文字バランスを取って、限られた枠内で表現する事を心がけております。

芳雲のお木様のバランス width=

活きたお木様(おこさま:木札)にする為には欠かせないとと心得ております。

先人に学ぶことを忘れず、しっかりと精進、勉強して木育て道を歩んでまいります。

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