さて、これは何と彫刻されているでしょう?
江戸の頃には、これを速く読めると「通(つう)」って事になった訳ですが、、さて、、、3文字ではありません。
私が手がけるお木様(おこさま:木札)は、画面いっぱいに文字を大きくし、その中でバランスをとっているのには、訳があります。
商売繁盛のなど大入りを願う願掛けとして「隅から隅まで隙間なくお客様が沢山入りますように!」画面いっぱいに大きく文字が書かれているのは、こうした願掛けの意味があるからです。
さらに、皆さんに「縁起のいい事や福が沢山きますように!」の意味を込めて元気いっぱいになるよう、なるべく画面一杯に大きな文字でバランスを調整しております。
神社に張られている千社札や、昔の興業などのチラシで書かれた文字が太く書かれているのはこうした意味が込められていたのです。
それでは!もう一度最初のお木様、何と書いてるでしょうか?
「隅から隅まで隙間なく!」大入りの願掛けの意が込められているのですが、
ここまで隙間なく、平たく隙間なくするとなかなか読めません。
でもですね、通(つう)はこれをいち早く読んだのだそうです。では!
ヒント1
ん!
何かの催しもの???
それでは、1つ1つを拡大してみてみます。
ふむふむ、、、
たしかに、文字間の隙間は限りなく小さくなっています、、、
でも、読みにくいことは確か、、、
なるほど、、、さて、、、
もう、お分かりの方もいるかもしれませんが、
第2 ヒント~
さらに、もう少し文字を引き伸ばしてみます!
何となくお分かりいただけたと思いますが、
文字以外の隙間が少しずつ大きくなっていることも分かります。
その分、文字が見やすくなっている事実もあります。
昔の興業などのチラシの文字をみますと、
それだけ願掛けにこだわった太い書体でありながら
しっかりと「読ませ伝える」という職人の心意気を感じてなりません。
外題の「丙申歳新春興業」は、隙間なく書かれますが、本来であれば、演目である「助六由縁江戸櫻・仮名手本忠臣藏」は、もう少し見やすく意味合い毎に分けて書かれました。演者もしかり。
それでは、もう一度、ご説明の為に比較でならべてみます。
先の名人の方々には遠く及びませんが、
私、芳雲も「隅から隅まで!」や、手にして下さった方に「縁起のいい事や福が沢山きますように!」と、願いを込めてお作りしております。
さらに!
名札としても意味も成すよう読み取れるよう一文字一文字バランスを取って、限られた枠内で表現する事を心がけております。
活きたお木様(おこさま:木札)にする為には欠かせないとと心得ております。
先人に学ぶことを忘れず、しっかりと精進、勉強して木育て道を歩んでまいります。
□へぇ~~な木札 豆知識
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