浅草鳥越
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代表職人芳雲の木育て日記

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2010年7月20日(火)

青黒檀という素材について

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突然ですが!
この木、板材はなんという木の素材でしょう?

この木、板材はなんという木の素材でしょう?

1.縞黒檀(しまこくたん)と縞黒檀
2.縞黒檀と青黒檀
3.青黒檀と青黒檀

わかる人はかなり木材ツウ!

正解は

両方ともに

青黒檀(大トロ)札

深く吸い込まれそうな黒が魅力の大人気の青黒檀です!

えーーーっ!?!?
出題の画像は全然真っ黒じゃない!!!

青黒檀の英名はGreen Ebony(グリーンエボニー)

青黒檀の表情、カットしたて青黒檀の表情、カットしたて拡大

なんとなく緑がかった黒。そして茶の部分もまだらに混ざっています。

でも青黒檀(大トロ)札は、ほぼ真っ黒ジャン!?
どうして?

それは道管に緑色物質がつまるため、すなわち青黒檀独特の樹液の関係でうっすらと緑がかっているが空気に触れると褐色化するために黒さがどんどんと深みをましていくのです。

この出題画像の左側くらいに白色化していると、

この木、板材はなんという木の素材でしょう?

完全に黒色化はしませんが、それでもある程度は茶色身がかった後にさらに黒っぽく変化していきます。そして右側のこの程度の緑がかった茶色の部分は、やがて真っ黒黒の漆黒の世界へたどり着きます。

フダヤドットコムのサイトでも紹介しておりますが 青黒檀(大トロ)by fudaya.com

青黒檀、使用前使用後??

右側の真っ黒な木札は同じ木材の木片から作っており、当初左側くらいの色味でありました。約1年少々、私の鼻の頭のマイ油をたまにすり込みながらじっくりと育ててまいりました。

青黒檀、この角度からは吸い付くように黒い

ひっくり返して!おっとこの角度だとかなり黒く見えますね~。

こんな感じで自然に真っ黒になっちゃいました

この変色の部分に関しては、どんどん黒さが増してくるという特徴の一つでもあり弱点という弱点ではありませんが、青黒檀にはそれ以上に大きな弱点があります。

それは木を乾燥させる時点で割れ(ワレ)や裂け(サケ)が多く発生してしまう素材だということです。

青黒檀は乾燥の時点で割れ裂けがでやすく1

3枚の青黒檀の板材です。直径20センチ程度の木材を画像のような板材までは業者さんに加工してもらうのですが、ご覧のとおりこれだけ割合で茶色いスジと割れ(ワレ)や裂け(サケ)がでてしまうのです。

青黒檀、細かいサケ割れがたくさん

もう少し拡大してみました。これだけあれば何枚かのお木様(木札)の素材になると思いたいのですが、指でさしているところに大きな裂けがあるのです。また指もとには茶色い部分がありますが、ここまで茶色いと黒くなりきりませんので、こういった部分は除いて木取りをしていきます。
黒いのでなかなか目立ちにくいですね。
ちょっと角度を変えてみます・・・

青黒檀、細かいサケ割れがたくさん2

携帯ストラップとして一番出ているサイズ中札を手にしておりますが、この大きさに対してこれだけの割れ(ワレ)や裂け(サケ)が無数にあるのです。
これ、決してオーバーに語っているのではありません。青黒檀の一般的なお話です。ただでさえ希少なうえ、これほどに素材の扱いが大変です。

それでも人気があるというのは手作業で何度も何度も磨き上げた仕上がりの良さが抜群だということにつきると思います。

さらに
良質の素材も減っておりいつまでこの質量とこのお値段を維持できるのか。。

また、先日のアド街ック天国で「黒檀の最高峰である青黒檀!」と紹介されていらい大変好評をいただき、品薄な状態で入荷の目処もついておりません(涙)
初の品切れ入荷まちになる可能性大です。
そうなりましたらどうかどうかお許しをぉぉぉ!!!

で!
せっかくですので、緑がかった部分や茶色のスジ模様などがどの程度かわっていくのかをこれを機に観察したいと思います。

青黒檀の端っこの角材はディスプレイとして店舗に展示

以前の製材の時にでた端っこの角材は店舗にディスプレイとして緑がかった表面と茶色の模様の変化を観察していくことにします。

そして次の画像は、この上でも紹介した現物。一番右側のうっすら茶色がかったお木様(青黒檀家紋入)がどのように変化していくのか。

100719青黒檀成長日記(ご生誕オモテ)

真ん中は、鳥越祭の時の特典お神輿豆札(非売品です)。一番左は、かなり茶色のスジが濃いのはフダヤドットコムのマークを刻んで成長を記録してまいります。

100719青黒檀成長日記(ご生誕オモテ)

そしてこれが裏側の面です。
きっと、一年もすると一番右の家紋青黒檀はかなり真っ黒になっています。一番左のフダヤドットコム印の青黒檀。通常の青黒檀(大トロ)札ではここまで茶色いとはじいております。のとおりに茶色の部分が残ってしまうはずですが・・・

これから成長を記録してまいります。

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