これまで、自分の目で確認せずに木材を仕入れたことは一度もありません。
通常ラインナップの素材も、私の作りに合った良材と巡り合う確率が年を重ねるごとに低くなり、
最近では空振りも度々で、ギリギリまで粘って入荷を待つことが頻繁になってまいりました。
それでも足繫く通うことで良いこともあります。
一期一会な珍品素材との出会いは、足で稼ぐと云っても過言ではありません。そして、目を付けた素材は即決しませんと、二度と巡り合うことはありません。
ジワジワ良さを噛みしめるような素材もあれば、一瞬で目を奪われる素材!!!
なんだ!?
金色に輝く細かい杢!!!
「蒲生さん!それでしょ!!!」
『はい!即決です!!!』
島桑(しまくわ)。
『桑』は主に「指物」の素材としてよく使われます。
家具や器具など、外側に組み手を見せず金釘(かなくぎ)も使わずに組み立てられた木工品で、「指物」の素材として使用される『桑』は木材として高級素材の部類に入ます。
中でも風雨など過酷な環境で育つ「島育ちの桑」が『島桑』と呼ばれ珍重されるのは、より緻密に成長し、見た目の美しさや手にした時の感触に優れるからでございます。
さらに、その『島桑』の中でも、ほんの一部にしか表出することがない『杢』。
しかもこんなに細かく表情のある極上素材。
全ての素材が、このように綺麗な縞模様が入っている訳ではありません。
『杢』、すなわち綺麗な縞模様は何らかの不自然な圧力が加わった部分でもあり、
ペン先の部分に黒い節と小さ割れ目がな凹みとして残り、この圧力により杢が出現したと思われます。節などの周辺であることから凹みや割れが多い箇所であるため、避けて木取りしなくてはなりません。
元々少ない部分が、さらに寄り分けれれるため稀少度が増すのでございます。
「島桑」自体が高級素材ですが、『杢』の有る無しで変わってまいります。
「島桑」と「島桑の極上杢」。
通常ラインナップの「さくら」「本黄楊」とも比べてみます。
かなり強烈に輝いております。
少し焦げた雰囲気にも変化していくようで、まさに金色に輝く小判のような素材!
強く『杢』が出た個体は、これだけ。
御蔵島産「島桑 極細杢」として限定販売いたします。
どうぞ、ご興味のある方はお早めに!
⇒.comマニア店〔島桑 極細杢〕でご案内しております。
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