浅草鳥越
名入れ 彫刻木札専門店
代表職人芳雲の木育て日記

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2017年11月19日(日)

間を意識し文字の大きさ、配置、バランスを調整するお木様(木札)

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 ただ文字が彫刻してある、ということではなく、彫刻された文字が活きた文字にするために、当初から心がけていることがあります。

それは、一文字一文字バランスを調整するということ。

ただ文字をタイプして、手間を掛けずに枠内に体裁よく収めようとすると・・・

さゆり編集前

普通にタイプしたままですとバランスが良くありません。

ですので、一文字ずつバラして丁寧に調整していきます。

さゆり編集

 神社などに良く貼られている「千社札」は、文字が太く書かれているのは、「お客様が隅から隅まで入りますように!」などの願掛けの意があります。

芳雲のお木様(木札)も、出来る限り画面いっぱいの大きな文字にしているのは、「お客様に福や良いことが隅から隅までたくさん入りますように!」という意を考えつつ、その中でバランスを調整しております。

さゆり編集後

心のこもった活きたお木様(木札)に仕上げたい!

それには、1つ1つ丁寧にバランスを取って配置することが肝要だと考えております。

2木を見比べていかがでしょうか?

さゆり 実際に木札彫刻

私が持っていたいのは右側。
同じ文字でも一手間かけるだけで、これだけの違い出てまいります。

縦横のバランスや文字数が変わっても、同じように調整いたします。

三田編集前

田んぼの「田」は四角く角ばった文字なので大きく見えます。

ですから、「三」横幅いっぱいにして縦幅も少し長めに調整し、

三田編集

「田」の字は、少し横幅、縦幅も小さめにすることで、バランスよく見えてくる=実際に書いているイメージしながら配置調整をしています。しかし・・・

三田違い

 しかしですね、私にとっては、当たり前のことなのですが、手間もかかるだけでなく、感覚的な要素も含まれているようで案外と簡単ではないようなのです。

どういうことかといいますと、白い紙に名前を書いてみます。

蒲生芳雲手書き

上手いかどうかは別として、

横にはみ出しても問題なし、全体のバランスを見ながら、制約もないので伸び伸びと書ける訳であります。

しかし、決められた枠内に、大きく書こうとすると・・・

枠の中に収めて文字を書く

バランスが非常にとりにくい。

一文字、一文字の大きさも1文字目に影響され、だんだん小さくなっていったり、

フリーで書いたものに枠を付けてみると、

蒲生芳雲手書き後に枠を付ける

何となくバランスが取れているようで、払いやはね、伸ばしなどの間隔が、微妙に長く感じられたりしてきます。

枠を付けなければ感じなかった全体のバランスも、微妙に崩れる感覚がしてまいります。

枠の中とフリーハンドで書く文字

上下左右に枠があり制約の中で文字のバランスを調整するのは、書いている感覚も使いつつ、デザイン的な要素も必要になってくるわけです。

これを一言で表現するのであれば「間(ま)」と、いうことになりましょうか。

ですから、一文字の彫刻でも、間を考えつつ調整いたします。

上下に、隙間がありすぎても
間抜けて見えますし、

芳間ぬけ

長くなりすぎると「間延び」というこに。。

一文字でも、縦横のバランスを考えて文字の大きさ長さを調整する訳です。

芳編集後

自分自身では、当たり前のようにしているのですが、少し詳しい友人などが作業を見てよく言われるのが、

「その微妙な感覚が、人それぞれ違ってくるんだね。それが職人技なんだね!」

芳 さゆり バランス調整後に彫刻

 一番意識しているのは、全体の「間」でしょうか。

そして、フダヤドットコムのお木様=芳雲が手掛けるお木様(木札)は、さらに、どんな想いのご依頼かを想像し、手にした方に福や良いことが隅から隅までたくさん来ますように!との思いを込めて彫刻しております。

木札づくりの道は、延々と続きます。これからも、応援宜しくお願いいたします。

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