浅草鳥越
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2017年3月14日(火)

『銀細工を隙間なく嵌め込む』1つ1つ銀細工は同じ?

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3月10日(大空襲)、3月11日(大震災)なかなか筆が進まない。
自分自身で決めたお祈りをする日、東京下町の1住人として10日も忘れません、、、そしてまた日を重ね・・・

新たなスタートは、龍神様と風神・雷神様のお力添えを頂戴したいと思います。

純銀細工を隙間なく木札に嵌め込むことについて、
職人魂に火をつけられた一言! 」で、隙間なくしはじめたきっかけをご紹介しました。

一見、同じ形にみえる銀細工が1つ1つどれだけ違うのか!

龍象嵌木札斜め

パッと見には全く同じ形状に見えますが・・・

1つ1つ、龍などの形状に打ち抜く型を使って龍の形に切り取る訳ですが、この工程についてはいずれ機会をみてお話をいたしますが、

龍の銀細工

今回は、1つの1つの形になってから先を記して参ります。

さて、それぞれの形状に合わせて銀細工を嵌める落とし込みを作ります。

龍象嵌木札落とし込み

正確に輪郭取りをする訳ですが、

先程の画像から銀細工の部分を取り除いて表示してみます。

どこが違うか分かりますか?

龍の銀細工のアウトライン

よくよく見ると、手の内側の切れこみ方は、微妙に違っていることが分かります。

これでは、少しわかりずらいので二つを重ねてみます。

アウトラインを重ねました

手の部分だけでなく、全体的にも細かい部分がそれぞれ違っていることが分かります。

ということは!
それぞれ逆に銀細工を嵌め込もうとすると・・・手に近い部分の形状が違い

手の所などは形状が違います

頭の方から合わせようとすると、

手の部分は入らないのはもちろん、尾に向かった胴の部分はズレて嵌め込む事すらできません。

頭から合わせると手や尾に近い部分は

 大きな拡大画像では、微妙に細かい曲線が違ったりしますので、銀細工を隙間なく埋め込むためには、1つ1つ丁寧に輪郭取りをしなくてはならず、

それなりに気の遠い話になる訳でございます。

一度、形どってしまえば終わりという事ではないのです。

龍象嵌木札正面

何となく形状が揃って見え、切れ込みも少ない龍でさえ、

拡大すると、この位違うということは!!!

じゃん!

ピタッとはまった風神雷神象嵌木札

風神様 雷神様

風神銀細工輪郭

同じように落とし込みを作りますが・・・

同じように落とし込みを作ります

すでに、細かく残っている部分など、

形状が全く違うのがこの時点でも分かります。

風神銀細工アウトライン

手の中など、細かい部分は手作業で丁寧に抜いていきますので、

中の細かい部分は手作業で切抜き

どうしても、全く同じという訳にはならず、

重ねてみます。

風神輪郭重ね合わせ

龍の時は、多少似た部分があったので、一部重なったような部分がありましたが、ここまで違うとご覧のとおり!

落とし込みの作りが違うので銀細工は、嵌まり込むこともありません。

逆だと銀細工が入らない

・・・せっかくなので雷神様も見てみます。

雷神銀細工輪郭

銀細工を見えないようにしてみます。

雷神銀細工アウトライン

そろそろ、言葉は不要かと思います。

雷神銀細工輪郭重ね合わせ

ピッタリはまると

ご覧のとおり。

風神雷神 風雷神 象嵌木札

今度は、折をみて銀細工を作る金型彫刻から、銀細工の形になるまでをご紹介できればと思います。

全公開!象嵌木札:純銀細工を隙間なく木札に嵌め込む職人技

1.職人魂に火をつけられた一言!
↓ ↓ ↓
2.純銀細工の象嵌は落っこちないの?
↓ ↓ ↓
3.1つ1つ銀細工の形は同じじゃないの!?
↓ ↓ ↓
4.象嵌木札の銀細工が出来るまで(1.金型を彫刻する)
↓ ↓ ↓
5.象嵌木札の銀細工が出来るまで(2.嵌め込む銀細工の形に)
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑

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