久しぶりの素材についての記事をガッツリ記しますので、気になる方は保存版にしていただければと思います。
各記事はカテゴリ毎に分けてもいますので、下段のカテゴリも使い分けて頂ければと思います。
さて!木材は「柾目」が良い!!と言われることがありますが!?!
フダヤドットコムの彫刻木札は、「柾目」がいいのか?「板目」が良いのか?
それとも中間的な木目が良いのか???何のこと?と思われる方も!
ます最初に、鳥越店舗にある素材見本のさくら札をご覧ください。
サイズ一丁〜五丁の中で、表面が『本柾目』の見本が1木あります!さて、どれでしょう?
このお題を元に人気の4素材、文字のコントラストが良い「本黄楊と桜木札」と、真っ黒で似たような素材ですが全く違う質感の「青黒檀と黒檀まぐろ」の木目のそれぞれ画像を比較しながら見たいと思います。
目次
さくら木札で柾目と板目、追柾目など木目の呼称を知る
まず、木目が見やすいのが桜材で説明します。
『柾目』とは、木札の彫刻面に対して年輪が垂直か垂直に近い素材のことを指します。
『板目』とは、木札の彫刻面に対して年輪が平行か平行に近い素材のことを指します。
さくら木札の断面ですが、柾目と板目の区別はつきますか?
握っている左2個が木札の彫刻面に対し年輪が垂直な柾目、右2個が年輪が平行な板目。
柾目と板目。
彫刻面の表情に、こんな風に違いがあります。
「本柾目」の時にだけでる{放射紋様}
左側の纏まりは木札の表面に{モザイク模様}の様なキラキラしているのが見えます。
これを{放射紋様}と言い、年輪が木札の彫刻面とほぼ垂直の時にだけ現れる紋様で、柾目を敢えて区別するため「本柾目」と呼びます。
「本柾目」の時にだけ現れる{放射紋様}。
年輪が少し斜めになると「追柾目(おいまさめ)」と呼びます。
断面左が本柾目、右が追柾目。少しの差ですが、この差で{放射紋様}が出る出ないの差が出ます。
木札のほとんどが追柾目
年輪が、ほぼ垂直の本柾目は全体の極一部であり、ほとんどが追柾目か板目よりの素材と言うことになります。
年輪が彫刻面に少ないほど、板目の度合いが高くなり、表面の表情は、シンプルにのっぺりとした表情となります。
これはこれで、スッキリ見えるかもしれませんが、本柾目と同様に「完全なる板目」も極少なく、大抵は年輪が紋様の様に表情となって現れます。
右奥の彫刻してある木札は「追柾目」。
ご覧のように彫刻の凹凸によるコントラストの方が勝り、柾目でも板目でも見た目は大差なく「さくら木札」といったところでしょうか。
さくら木札の本柾目の表情
もう一度、彫刻見本の画像を見てみます。
追柾目、板目、本柾目とそれぞれですが、彫刻の凹凸とコントラストがありますので、パッとの見た目の違和感はなかろうかと。
「同じ木だけど、言われれば木目が少し違うかも」
さくら木札の木目に関しては、こんな印象で多少の好みの違いはありますが、年輪が目立ちすぎない限り特に優劣はないと判断しております。
何より重要なのは、彫刻木札に向く素材を厳選して選んでくる事だと思っております。桜と云っても種類や個体差などで幅がありますから、絶対に自分で見た素材だけを仕入ています。
本黄楊木札(御蔵島産)の柾目と板目
本黄楊木札も、彫刻した凹凸のコントラストがある素材ですので、基本的には桜木札と同じ見え方にですが、柾目と板目の区別はつきますか?
「フダヤドットコム」の木札と左側が本柾目に近い柾目、「笑里」と右側が板目寄りの木目。
よく見ると左側は柾目で{放射紋様}が出ています。
断面を見ると年輪が見えますので、柾目か板目の区別は容易にお分かりいただけると思います。
本柾目も綺麗ですし、板目もすっきり見えるので、どちらも甲乙つけがたい。
さくらの時と同様に、板目の時に年輪部分が強く出るにしたがい、見た目に障り始めるといったところでしょうか?
年輪による木目が強すぎる場合は、柄の面にしたりする訳ですが、コントラスト素材ですので本柾目の放射紋様は、さほど気にならないと思います。
もちろん!
お出しする木札に関しては、私芳雲が良しとした素材だけ、作り仕上げるのも私だけ、芳雲の彫刻木札をお届け致します!
黒檀まぐろの柾目と板目
次は、真っ黒黒の「黒檀まぐろ」で比較してみたいと思います。
木札の表面に縦筋の木目=木管(もくかん)があり、特徴でもあります。同じく真っ黒の木札「青黒檀」は、この木管が少ないため仕上がりが滑らかに見えますが、
黒檀まぐろ単体で見ると真っ黒の高級素材です。
そもそも年輪は見えるのか?って事ですが、本黄楊や桜木札の様に断面からも認識はできません、、、が、
黒檀系は年輪が見えないけど柾目の区別はつくの?
本黄楊や桜木札の様に年輪は見えませんが、{放射紋様}は有りますので紋様が見える部分は「本柾目」ということになります。
左側の『だるま』は、{放射紋様}がしっかり出ているので本柾目であることが分かります。
もう一方、右側『たろう』は縦筋の木目、木管(もくかん)があるせいか、どちらもタイプは違えども「黒檀まぐろ」の代表的な質感のイメージです。
{放射紋様}がない「たろう」の方も木管が表面の変化として見えます。
「だるま」の方も、やや茶色みがかって見えますが、単体で見ますと真っ黒い木札に違いありません。
青黒檀の柾目と板目
黒檀種の中で稀少度や質感も含めて最高峰の素材と言われて久しい『青黒檀』。
『黒檀まぐろ』に見られる縦筋の木目=木管が極少ないため、丁寧に磨き上げますとご覧のとおり!
実は!
この4木の中に1木、「本柾目」の青黒檀木札がありますが分かりますか?
・・・梵字入りの木札、角度によって{放射紋様}が強く見られます。
パッと見は、真っ黒にもみえますが!
青黒檀は、仕上がる表面の表情変化が少ないからこそ!の、のっぺりとした表情が特徴ですので、「本柾目」による{放射紋様}が非常に目立ってしまいます。
さて、{放射紋様}が強い青黒檀を木札に使うのか否か?
どの位ある?青黒檀の本柾目!木札に使うの?
製材する前に板材の時点で分かる{放射紋様}=本柾目は、使用しておりません。
稀に、のっぺりとした良好な表情のすぐ横に繋がって、木札の一部に見られることがありますが、彫刻して障らない程度であれば一部使用しています。
もちろん真っ黒く見えることが前提で、目に障る素材は省いております。
とはいえ、本柾目である部分も非常に少なく、
上の板材で使うとするなら、木札の右側の真っ黒い部分だけですね。
青黒檀は空気に触れると黒さの深みが増すと言いますが!?
変色のこちだけでブログ1話書けてしまいますので、さわりだけ。
厚みを整えた切り立ての青黒檀の板材。
約1カ月半ほど空気に触れさせることで、次のように変化します。
使い始めてからも黒さが深まっていく素材で、先程から出ている見本の梵字入りの木札は、青黒檀を初めて手にした時の試しの素材、かれこれ15年くらい使い続けて現在2024の表情。
テストの意味も兼ねて約15年、この放射紋様は消えることありませんが、パッとの見た目は真っ黒の漆黒。
もう片側は、放射紋様が出ていませんので!
これぞ!青黒檀木札!!
首掛けネックレスでの使用の場合は、汗や水濡れが激しさにより変化は全く違うものになりますが、合切袋で根付けストラップとして使って入れば、一生物ですね。
質感が良いからこそ目立ち過ぎてしまう青黒檀の本柾目=放射紋様。
基本、省いておりますが質感が良いだけに悩ましいところではあります。
木目以上に大切かも!芳雲が大切にしていること
人気の4素材で柾目、板目の違いを見てきましたが、木目のない素材はありませんし、それぞれの個性を活かした作りが大切だと思っています。
木札の形に成形した素材をどの向きで使うのか?
木札を手にすると、しっくりくる向きがあるのです。
上下、表裏、左右4方向を見て、しっくり収まりの良い方向で穴あけをいたします。
木目は見えにくいですが、黒檀系もそれぞれ、しっくり落ち着く上下、表裏があるのです。
木目も大切ですが、やはり木札全体を見た表情が一番大切だと思うのです。
この穴あけの表情については、以前に記事にしておりますので、よろしければ続けてご覧ください。
△素材 について深~ぃぃ
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