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2022年5月5日(木)

極レア木札のレアの基準って?!

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極レア素材と一口に言いましても、何がレアなのか?

 

極レア木札

 

以前にも別の形でお伝えしましたが、お客様からも、よくよくご質問を頂戴いたしますので、要点だけまとめて記したいと思います。過去記事が気になる方は検索窓より「レア木札で検索する」と、ご覧いただけます。

 

さて、極レア素材とは!以下の3つの組み合わせに尽きます。

どうしても重複してしまう部分もありますが、順にご説明させていただきます。

 

1.流通する個体数が圧倒的に少ない

そりゃそうだ!的なことなのですが、

流通量が少ない理由は、条約などで捕獲や国の移動が禁止されている素材であること。

また、条約には抵触していないものの、実質的に国家間の輸出入がなく、現存する国内保有の素材だけで流通しているものもあります。

 

世界的に代表されるのが「ワシントン条約」です。

名前くらいは耳にしたことがある方も多いと思いますが、動植物の国家間移動の制限を約束した条約です。

生きている動物も対象ですが、象牙や鰐皮や孔雀の羽など個体も同様に対象となります。木も同様で個体も含め規制がかかっております。

フダヤドットコムに関連するワシントン条約

〔黒檀はマダガスカル限定:ローズウッドなどツルサイカチ属全種:ブラジルボク(ペルナンブコ):レッドサンダー(紅木):ユウソウボク属(パロサント)他〕

 

絶滅危惧種に指定される理由としては、気候変動のこともあるのだろうとは想像されますが、木材ということに限れば、かつての乱獲による個体減少が理由が少なくありません。

 

関連のあるところでは、通称ハカランダとして知られるブラジリアンローズウッドがあります。

 

ワシントン条約が三段階に分けられている中で、1番重いランクに記載されて続けております。

 

 

もちろん、これらのブラジリアンローズウッドは、日本が条約を締結した1980年以前に輸入されたものですが、ギターなどの楽器や家具に使われておりましたが、装飾性と木材の扱いの良さから乱獲にあい絶滅危惧種に指定されました。

 

そもそも、木材自体の装飾性や質感が良いから重用される訳で、そのほかも素材として優れた部分があるということの裏返しでもあるのです。

 

次の「紅木」は高級な三味線などに使われる木材で、

 

紅木 木札

 

木材自体に優れた装飾性を有しており、ワシントン条約の2番目のランクに記載があります。

 

このワシントン条約も3年毎に見直されており、ツルサイカチ属やユウソウボク属全種が加えられたのは近年のことで、時々の情報にも留意しなければなりません。

 

その他にも、木材の移動を制限する協定や、自治体が独自で管理制限など(ハワイ州も固有種であるコアを独自規制)している素材もあります。

 

希少性を煽るということではなく、ワシントン条約に限らず様々な規制がある中で、自然の恵みを授かっているということ忘れることなく、こうした近況を把握し周知も怠らないよう留意してまいります。

 

 

2.装飾的な模様や柄を含んだ質感

 

1でもお伝えした通り、木の質感や装飾性に優れているからこそ、目当てとされるのですが、条約には抵触していない中で有名な所では「スネークウッド」が代表的です。

 

(豹柄)が、全ての個体に出る訳でなく100本のスネークウッドで柄が出ているのは3,4本と言われておりますので、

 

今までに出会ったこれらの素材は、数年に一度あるかないかの一期一会。それでも、一番右側の個体は「柄の濃い横に柄の無い部分」があります。

 

次の画像もスネークウッド。画質は悪いですが、大概はこんな柄の出方であるということなのです。

 

 

 

3.木取り(木札のサイズ)が出来ない

 

2で紹介のご存じスネークウッドでございますが、成木でもご覧の程度の幅にしか成長しません。

加えて木材を乾燥させるにあたり、細かい割れ裂けがとても多く表出素材でもあります。

 

今回、一期一会で出会ったスネークウッドの板材です。

 

 

濃淡はありますが、全体的に柄が均一してよく出ている方だと思います。成木でも幅はこの程度、15センチにも足りません。

 

その中で、木材乾燥の時点で割れが生じるのです。

 

 

ペン先の筋が見えるでしょうか?

こうした割れの無い素材は皆無、その中からエイっ!と選別していくのですが、

 

ひっくり返しますと!

 

別の細かい割れ裂けが見当たるのでございまして、ついでに、柄の出方も先程の面よりも斑。

大きさ的には「だるま札サイズ」17、8木分の質量がありますが、4つか5つ木取り出来れば上出来と心得ております。

 

このように、質感は良いながらも、大きな木には成長せず割れ裂けが多く木取り(木札のサイズにする)しにくいことがレアの要因の一つであります。

 

その最たるものが、「青黒檀」でしょうか。

 

 

相当な額をつけましたが、昨年に目出度くご成約となりました。

 

まとめ:完成品から実感すること

数年に一度出会えば!というような素材ですから、それなりの高額となります。

したがいまして、次から次へと巣立っていく訳ではありません。1つ、また1つとポツポツ出ていく印象。

 

 

一度に5個程度の数個ですので、気付くと!あれ、あと1木か、と。

 

ちなみに、ハカランダ(Bローズウッド)がワシントン条約の最高ランクに指定されているにも関わらず、その他の素材と比べてお値打ちなのは、稀少ではあるものの手に入れば樹種が比較的安定しており、木取りがしやすいからという訳です。

 

また、スネークウッドが指定されていないのにも関わらず高額なのは、

 

 

それほどに大きな木取りが難しく、また柄の出が良い素材が少ないということなのです。

 

なにより極レア木札の素材達は、彫刻した後の佇まいに威厳や貫禄を桁違いに感じるのでございます。

 

 

こうしたレア素材は、fudaya.comマニア店(旧店)と鳥越店舗でご案内をしております。

ご興味のある方は、ぜひ一度、お運びいただければ幸いでございます。

 

極レア素材 だるま札

極レア木札 だるま札

 

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