浅草鳥越
名入れ 彫刻木札専門店
代表職人芳雲の木育て日記

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2013年10月8日(火)

芳雲の『厳選素材』を画像と文章で説明してみる。

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10月8日は「木の日」です。

『 木 』を漢字で書くと『 十 』と『 八 』に分かれるからだそうです。と、言う訳で、今日は木のことに関してじっくり書きたいと思います。

『 厳選素材 』

考えようですが・・
良い素材や珍しい素材をラインナップに揃えるだけでも
『 厳選素材 』って言えちゃいます。。

そこで!
私、芳雲なりに
どう[ 厳選 ]なのかを私なりに画像と文章で
1話にまとめて説明をしたいと思います。

かなり、長くなりますので!

じっくり見たい方は、どうぞ!読んでいられないという方は、画像で流して追っていただければ何となくお分かりいただけるかと思います。

まず、木札を作り始めた当初より一貫してしていることは、自分の目で見て確認した素材しか仕入れておりません。

さくらの原木
※実際に見て仕入れる

 桜にも色々種類はありますが、当店では山桜系の桜=いわゆる「本桜(ほんざくら)」と言われる種類の中の『茶色い部分』を[ 厳選 ]して使用しております。

なるべく茶色味がかった方が表面が安定して仕上がるからです。
とは、いいましても自然の素材・・・

さくらの色味
※さくらの色味をチェック

[ 厳選 ]した中でも時々により、これだけの色味の違いがあるんですから、自分で実際に見ていないものは、恐ろしくて手はだせません。

そうです。もっと白っぽかったり、筋目が多かったり・・・
ここは私の判断で、その時ある中で最適なもの[ 厳選 ]します。

もちろん、気にいった素材がなければ見送りです。
少量でも良いものがあれば[ 厳選 ]して使用します。

しかしながら・・・自然の素材ゆえ、、
仕入れたい1本全てが均一の木目だということはありません。
こうして、焦げ茶や緑色の筋目がでていることも多くあります↓

桜材の筋目
※桜材の筋目は健康な木の証

これが、特徴でもあり木が健康である証なのですが。。

最初から、たくさん見えていたら当然選ばないのですが、
表面上はよく見えても、中側の一部分に密集していることもあり・・・

あまりにも筋目が強すぎる物は、こうしてデッドストック

山ほどある・・・

せっかくの自然からの授かりモノですから、こちらも使いますよ!
オーダー品としては、[ 厳選 ]して使わないだけです。

カタログに同封している豆札などに使用したり、小さいサイズに転用が可能であればそういたします。

オーダーの名入れには、こうした部分は極力はじいて、どうしても少し残ってしまった時には、柄の面などにして目立たないようにいたします。

さて・・次は、黄楊(つげ)の原木です。
黄楊は、成木(大きくなっても)でもこの位の太さにしかなりません。

黄楊半割原木

 フダヤドットコムの本黄楊札は当初より、黄楊の産地の中でも最高峰と言われる『御蔵島産』を[ 厳選 ]して使用、 将棋の駒としても最高峰のツゲの産地と言われております。

黄楊は、半割にしてあるので、
こうして節やスジ目を見ながら切断の指示をいたします。

さくら、黄楊、原木
※黄楊、原木から木取りの指示

しかし、よーーーーーーく見ると!
断面に、黒い点々や濃い筋がいくつか見えると思います。

この太さの中で、必ずこうした節目やスジが頻繁に出てくるのです(涙)

下の左側のものは、ディスプレイ用で使用しません。右側の素材は、かなり状態の良いものですが、その一部には、右側のようにスジ目の濃い部分も含まれることがほとんどです。

黄楊の原木
※黄楊の原木、省かれる一部分荒れ

黄楊も桜と同様にお木様(おこさま:木札)の形に成形する時に、極力省いて残った時には、名入れの面に目立たないよう裏の柄や文字など彫らない面にするなどして配慮しております。

次に、
縞黒檀など「縦シマやグラデーションがかった素材」についてです。

縞黒
檀は、黒っぽくて分かりにくいので、時折、木育て自慢大賞などの副賞で使う「チューリップウッド」でご説明いたします。

一番右側が「チューリップウッド」です。

(左から:本黄楊・ピンクアイボリー・チューリップウッド)
梵字札・家紋札チューリップウッド

こうして、お木様(おこさま:木札)の大きさにした時に
ストライプや模様がしっかり出る素材を[ 厳選 ]いたします。

木全体に、この紅白のストライプがでているとは限りません。次の画像の半分は、柄がなく真っ白です。

チューリップウッドも柄半々

この白い部分だけで「チューリップウッド」だよ!と言われても・・

です。

そして、チューリップウッドの一枚板です。

チューリップウッドの大柄

全体に模様としてグラデーションがありますが、お木様1つ1つの大きさになった時を想定すると柄が大きすぎます。

ブーーーー。

また、こうした素材は、室内灯だけではなく「太陽光に当てて」みることもいたします。

チューリップウッド、光を当てて

案外、白い部分が目立っていることに気づいたりします。

したがいまして、お木様の形になった時を想定して[ 厳選 ]すると!

お木様(おこさま:木札)に適した柄チューリップ

こうした素材を選ぶわけです。

何で、ラインナップに加わらないのか?

それは、3回仕入れに行って2回は、この素材は存在すらありません。
仮にあったとしても、お木様に向いた柄があるかないか。ですから、良い素材と出会った時にちょっとずず貯めております。

そろそろスポットででるのか?でないのか?

次に、極レア素材などです。

自然の不思議、スネークウッド豹柄札。
木の質感もとても良くとっても人気の素材ですが・・・

100本に3、4本しか柄が出ないと言われ、、
出たとしても、こんな時が多いそうです↓↓↓

スネークウッドB材

一応、言っておきますと、右側の黒い点点とあるこちらもスネークウッドなんです。。柄が無くても、木の質感は重厚で光沢もあり素晴らしいんですがね。。

だいたい、こんな感じの素材の時が多いので、毎回ほぼスルーーーですが

何年に1回かは、こういった素材と巡り合います。

スネークウッド良柄スネークウッド一期一会

その他のレア素材も、毎回、毎回、足繁く通う事で一期一会な出会いに恵ます。

ピンクアイボリーも実際に厳選素材
※画像クリックで!ピンクI・縞黒檀.黒柿ツートン・ハカランダさらに拡大

これまでの素材は、回りから見て概ね中の状態も想像がつく素材です。

最後に紹介するのが、
仕入れの時に、毎回、勝負をしなくてはいけない素材、、

青黒檀(大トロ)
黒檀の種類の中で一番密度が高く重い青黒檀

この中から青黒檀

みがき上げて仕上がった時の質感は本当に最高なのですが・・・

青黒檀右側完成品

扱いの難しさもNO.1です。

ブログでも度々書いておりますが、
青黒檀は割れや裂けが非常に多い素材です。

割れ裂けが多い青黒檀
※割れ裂けが多い青黒檀

ご覧のように断面に割れが入っているのは当たり前。

下の青黒檀は、中心部に茶色い筋目が目立ちます。

青黒檀色味
※青黒檀の断面から中身を読み取る

割れ目や裂けを防ぐため、保護のノリ付けをして保存するほどです。

まるで、マグロの仕入れ? (笑)

外観と断面をみて判断=[ 厳選 ]して仕入れる。。

青黒檀外で撮影色味の確認青黒檀外で撮影

割れ目は必ずあるんです。。

縦に割ってみると、だいたいこんな感じに荒れてます。

青黒檀割れ裂け引き画像
※青黒檀割れ裂け、これでも良好

コレで普通です。

ここから、無傷の所を木取りしていく訳なんですが、携帯の奥側は全部使えそうもありません。

青黒檀使えそうなのはこの一部
※青黒檀使えそうなのはこの一部

使えそうなのは右側の1部分だけですね。

ですから、ゴミ箱はこんな感じになります (T_T)/~~~

青黒檀 残念。。

最近、桜や黄楊も含め良い素材を安定してお出しするのが難しくなってまいりました。

希望を伝えても、入荷までの時間がとても長くなってきております。
待っても、入荷しなければ。。仕方ありません。品質が維持できなくなれば品切れです。

納得のいかない素材は、使いたくありません。

したがいまして、良材維持のため値上げを検討せざるおえない状況です。
(約10年ほぼ同じ値段で頑張りました)
お金を積んでも無いものは無い、自然素材は一期一会。

こうして、自然から授かった産物ですから

しっかりと素材を活かして仕事!仕事!!!

製材でピっカピカぁ~

木愛で磨いてます

本黄楊ピッカピカ!青黒檀ピッカピカ!

 

仕上げた時のこの表情に、いつも癒されます。

人気の福だるま札

皆さんに、想いをこめて使っていただく訳ですから、木愛、魂を込めてお作りしております。

私、芳雲の[ 厳選素材 ]いかがでしたでしょうか?

 僕にとっては、当たり前のことです。
これからもしっかり精進!さらに研究して一歩一歩進んで参ります。

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