家紋を『彫り込み』でできませか?とか、
オリジナルのロゴを『彫り込み』で!とか、、、
本当に良くある質問ですが、出来ないのではなく!「表面的には出来ない」と、お伝えしている理由を画像付きで、ご説明をさせて頂きます。
・・・技術的な事ではなく、
仕上がりの状態の事からお断りしている!それは、、、
ご覧のように、通常のご依頼の場合「文字入れの上に家紋」や「裏面に家紋を入れる場合はフチどりして家紋を浮き出す形」のみでご案内をしております。
しかしながら、文字だけの場合には「(枠なしの)彫り込み」タイプもご案内しております。だから・・なぜ家紋の彫り込みはできないの?
なぜなら、家紋はかなり細かい部分を含んでいるために「彫り込みタイプ」だと『木で残る部分が、小さく、細かく、細く』仕上がり後に欠けやすくなってしまう事があるからです。
「104.荒波の丸」という家紋を両方の彫り方で彫刻してみました。
札の大きさは、特大札(2cm×6cm)
枠が無い分、右側の方が大きく彫刻できますが、
デザイン的に、木で残る部分が少ないため、細かい部分が1mm以下の極細線でしかありません。
定規でもご確認いただけると思いますが、ゲージ「100」の所をご覧いただきますと1mmの中に細い線が2本しっかり残っています。
理論上では、約0.1mmの極細の線が木で残っていることになります。
ちゃんと彫刻できていますよね!!!
しかし・・・遠目で見ても、近くで見ても、『彫り込み』タイプで彫刻するとこういった見た目であり・・・
見た目も線が細いので何だかわからないし、かくかく線が極細なので仕上がり後も、チップしやすい=欠けやすいのです。
ですから、裏面家紋入りの時は「フチ取りの輪郭線」を外側に付けて、下画像「左」の様に仕上げる訳です。。比べ、右側の彫り込み家紋は遠目で判断がつくでしょうか?
上から、「36.丸に違い鷹の羽」のように細かい家紋は、デザイン全てに細かさが関連をしてきますが、3番目の「20.丸に剣片喰」の様に一見、細かくなさそうにみえても、それぞれの間の部分は細かったりして「彫り込みタイプ(右)」ですと、ご覧のようにデザインが潰れてしまう訳です。
!!!一番下の「49.左三つ巴」なら大丈夫なのでは?
と、思うかもしれませんが・・・
特大札(2cm×6cm)に彫刻した場合でも、細い部分は0.25mmでしかありません。
見た目は、ギリギリかもしれませんが、これでは仕上がり後の強度が保たませんので、商品としてお渡しるすことはが憚れるのでございます。
ですから!家紋につきましては、
「文字入れの上部」につきましては『枠付き浮き彫り』にて
「裏面柄、無地+家紋のみ」は『フチどりをして浮き彫り』
に、しているのは、仕上がりの強度と見た目を加味したご案内という訳です。
また、仮に!「104.荒波の丸」のようなオリジナルロゴで原稿を頂戴して
『彫り込みタイプ』で!
と、言われても、ご案内をしないのは
できないのでなく、
仕上がりの事を考えてご提案をさせて頂いているという訳です。
では、なぜ文字は「彫り込み」OK?
実は、「浮き彫り」と同じ文字の太さで彫刻すると、こういう事になってしまします。
文字の間が、細かすぎて家紋の時と同じように欠けやすく、そして醜くなってしまいます。
ですから、少し文字を細くして、木で残る部分を大きくして欠けやすい部分を補強しているのです。
下の画像の、
左から「枠付き浮き彫り」
中央が「枠付き浮き彫り」の太さを変えず「彫り込み」
右がフダヤドットコムの「彫り込み」タイプの文字です。
大々的には書いていませんでしたが、このような細かい調整をしております。
文字につきましては、少々余談になりましたが同じ意味合いですので同記事にて掲載をさせていただきました。
何で文字は調整できるのに、家紋は調整できないのか?
簡単です。細かいので強度を維持するまで調整すると線がなくなってしまったり、強弱をつけると違う見え方=違う家紋になってしまうからです。
文字は、ギリギリまで調整しても、書体の感じをいかしたまま読めれば良いわけですから、比較的大胆に調整できるのです。
オリジナルのロゴなどに関しても、デザイン(見え方)が変わってしまうので、こうした調整はできません。また、デザインにより、彫り方が限られたり、仕上がり時に線が細くなりすぎる部分などでる場合には、お断りすることになる、ということになります。
以上が、「家紋入りの彫り込み」が
出来ないのではなく、ご案内出来ない理由でございました。
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