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象嵌木札ができるまで
⑥ いぶし銀
銀は黒く変色するものですが、初めからわざと黒くさせています。黒くすることを「燻し(いぶし)」と呼んでおり、硫化させることで黒く変色させています。これが「いぶし銀」です。燻すことで奥行きがつき、より立体感が増すことになります。
銀を硫化させる液に浸けて変色させてから「磨き砂」という粒子の細かい砂でいぶしを剥きます。削るではなく「剥く(むく)」という表現を使います。
いぶしの付け方も、細かい奥までしっかり燻しが付いているか? 剥き方も、どの程度まで剥くか? など技術とセンスが問われます。
数が多い時には、籠の中でまとめて行いますが、燻しつけの技術、剥く加減、その塩梅で表情が変わってきます。
一方、仏像シリーズではあえて燻しはつけていません。出来たての仏像は、金箔などで輝いていることが多いのが理由です。
お寺の奥、うす暗いところに安置されていることが多く、うす暗くてもしっかりと光を放っていただきたい、そう思ってです。
うす暗くして燻した銀細工と比べてみました。ここまで暗くすると微妙ですが、燻していない仏像の方が明るく見えていませんか?
このように丹精込めることで、ようやく銀細工が出来上がります。
抜き型で打ち抜く時には、抜かれる際に金属が引っ張られ微妙に輪郭の違いが出たり、細かい部分は手で切り回す部分もありますので輪郭が同じくなることは2つとてありません。木札も1つ1つ個性がありますが、銀細工も1つ1つ個性があるのです。
手にされた方が一生大事にしたくなる象嵌木札をご提供してまりいます。
※ 画像クリックで詳細がご覧いただけます。
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