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- 2.金型制作
象嵌木札ができるまで
② 金型制作
線の溝で彫りあげたアルミの原盤を平型彫刻機に固定し、原稿の実寸(今回の場合は1/8サイズ)に縮小されるようにセットします。
この平型彫刻機は、通常平面を彫刻する機械です。そのため風神雷神の筋肉の盛り上がり、毛や羽衣の流れなどは手加減で探りながら掘り進めています。
刃物の刃先も1つの物だけでなく太さや形状を変えて調整しています。
時にはガイドの線をなぞってあたりをつけ、線にはない凸みや凹み部分を確認して深い浅いの強弱をつけて彫っています。このような半立体で立体的に表現することを「肉彫り」と呼んでおり、金型彫刻の中でも最も難しい感覚的な職人技術です。
銀細工の凹凸部分は約2ミリほどの厚みしかありません。その中で指、脚、筋肉、髪や羽衣の流れなどを立体的に表現することになります。彫刻中は軟らかい粘土を使って何度も形状を確認しています。
このように原盤と平型彫刻機を使うことで約1.5センチ四方の銀細工にリアル感を持たせて仕上げることが可能になっています。
ここからが金型彫刻の仕上げ作業です。鏨(たがね)を使いもう少し出っ張らせたいところを叩く作業。
キシャゲという鏨より少し長い道具でケガく作業。
面の部分は、砥石で磨いたりして金型を仕上げています。
磨きが終わったら鉄の金型を堅く固めるために炉で熱して「焼き入れ」をします。これでようやく金型が出来上がりました。
※焼き入れは専門の炉を持つところにお願いしています。
※ 画像クリックで詳細がご覧いただけます。
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