浅草鳥越
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代表職人芳雲の木育て日記

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2017年4月29日(土)

鳥越川 新堀川 三味線堀~鳥越橋~大川(隅田川)への流れ暗渠

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旧町名シリーズの番外編。

ほどほど近い昔・・・

00明治期と見られる鳥越神社例祭朱引き

・・・水の都と云われた江戸、我が地元鳥越にも堀川が流れておりましたが、フダヤドットコムからもほど近い元三味線堀から大川(隅田川)までと、浅草と上野の間ともいえる新堀川の流れを台東区出身の時代小説作家、池波正太郎先生の作品に出てくる箇所を踏まえつつ辿ってみます。

今も暗渠で流れている・・・と、何となく聴いていますが、さて、、、
明治初期と思われる、我が氏神様の御祭礼の順路を表した朱引きです。

 明らかに道と違う流れの上に、橋のような印がみてとれます。

中央やや下に「トリコエ」と「朱色の鳥居」。

00明治期と見られる鳥越神社例祭朱引き(神社周辺)

 池波先生の『剣客商売』主人公、秋山小兵衛の剣友「牛堀九万之助」の道場は『元鳥越』、この鳥越神社の北側にある設定となっています。

00明治期と見られる鳥越神社例祭朱引き大川まで

 その周辺の水路と鳥越神社の位置を記して・・・
おまけに、フダヤドットコムの位置関係も記してみました。

01フダヤドットコムの路地

 これらの堀川、暗渠で下に流れもある!?

と、聴いたりしますので、昔の朱引きに照らし合わせながら、大川(隅田川)まで探索してみたいと思います。

と!
私、芳雲の位置と目線の向きは、このマークで記しますのでタイムスリップしながらご覧ください。

芳雲が見ている位置と向き

さて、一番最初、フダヤドットコムの位置はロゴマークで記しました。

ストリートビューに写り込む芳雲

横の路地を、北へ進むと少し広めの道にでます。

02フダヤドットコム路地出た電柱看板

目線の位置はこちら。

02フダヤドットコム路地を出た所

すぐ見えてくる信号の手前右側が都営住宅で、1階は「元三味線堀マート」という商店街的な個人店が集まるマーケットが入っておりました。

03三味線堀都営住宅03三味線堀〜佐竹商店街南口

地図にもありますが、三味線の形をしているお堀があったそうで、「鬼平犯科帳4巻:夜鷹殺し」の一篇にでてまります。

04三味線堀

向いは「秋田藩佐竹右京太夫公の上屋敷」の名残もある『佐竹商店街』。そちらから、信号左手のビルが三味線堀跡、右手がフダヤドットコムのある鳥越1丁目。

04佐竹から見た三味線堀

こちらは、松平下総守の下屋敷。
「剣客商売3:深川十万坪」の一篇で『その侍は、浅草・鳥越の、松平さまの御下屋敷へ入っていきましたよ・・・』。

フダヤドットコムのある鳥越1丁目町会の町域のほとんどが松平下総の守さまの御屋敷ということになります。その御屋敷の西側と南側には三味線堀から大川(隅田川)へ続く堀川があり、それが「鳥越川」ということになります。

お屋敷南西の角、鳥越1丁目交差点。

05蔵前橋通鳥越一丁目交差点05蔵前橋通鳥越1丁目交差点

ここで、大川に向かって東へ折れます。

06鳥越1丁目~東交差点06鳥越1丁目交差点〜鳥越東信号

この先あたりで、少し南へ折れる形のようですが、何か痕跡・・・痕跡・・・

ん? 不自然な形状の道!?

07不自然な鳥越東交差点南の地形

車道と歩道、そして家の並びがいかにも不自然。

07不自然な鳥越東交差点南側07不自然な鳥越東交差点南の地形2

ここが南へ折れる地点だ!

となると!
また、すぐに大川へ向かって東に折れる、

08不自然な鳥越東交差点南の地形3

地図にもある、堀川の曲りにピッタリ合ってる!

おっと!こう見ると普段通りなれた道も何となく趣を感じます。

08鳥越東交差点南~大川に向けて08鳥越東交差点南側左折

浅草消防署、浅草橋出張所の脇を通り、

09鳥越川浅草消防署浅草橋出張所09浅草消防署浅草橋出張所

さらに東へ進み、

この交差点の左手は、氏神様の鳥越神社。

10鳥越神社前一本裏の道10鳥越神社前一本裏の中華楼前

 この左手が、「元鳥越町」ということになります。
「元鳥越」と「新鳥越」については以前にまとめ記事を作っております。

『鳥越周辺の道は、路地が碁盤の目のようで、皆同じ道に見える!』と良く耳にしますが、こうした碁盤の道から漏れるような曲線の道には、

11鳥越神社前一本裏の道を大川へ11鳥越川の趣が残っている暗渠

堀川の址だという理由があった訳ですね。

ここで、一旦、鳥越川を離れて新堀川の暗渠を見てみます。

蔵前通りと新堀通りの交差点ですが、真っ直ぐ進むと料理道具で知られる合羽橋道具街の道。この南端がこの交差点。

12新堀川は合羽橋道具街の通り12新堀川合羽橋方面

通りの名も「新堀通り」と名残りがありますが、上野と浅草の間を流れるこの新堀川を渡らないと、上野から浅草、浅草から上野へは行けなかった事になります。

これも、池波先生の作品には良く出てまいりますが、、、さて、新堀川の先、先程の交差点を逆側から見ますと、ここにも不自然な歩道、路側帯の形が見られます。

13江戸通蔵前通交差点、不自然な路側帯は?13江戸通蔵前通交差点、不自然な路側帯

あぁ、ココココ、江戸通りと蔵前通りの交差点、何か変な形だな~と思った方も多いと思います。

それでは、新堀川と鳥越川の交差を探してみます。

16鳥越川、江戸通に架かっていた鳥越橋16江戸通に架かっていた鳥越橋

江戸通りに出る少し手前の鳥越川の上ですが、

鳥越川を振り返って西に向かってみてみますと、

14新堀川と鳥越川の交差は道の形状が不自然14新堀川と鳥越川の交差

ここにも不自然な形の道があります。

どうやら、ここが交差する地点のようです。

さて、先には大川(隅田川)の堤防が見えてきました。

16鳥越橋=天王橋=須賀橋 交差点

 この交差点にある交番は、須賀橋交番。

「須賀橋」名残でございますが、ここが「鬼平犯科帳9:浅草・鳥越橋」ということになります。時々で橋の名前は色々と変わっているようですが、右手側が江戸城方面、左手へ進むと浅草寺へと向かう大通りであり、この堀川を渡る橋が左右に2本あったと記されております。

さて、江戸通りを越えると堀川は南へ折れる事なっているようですが・・・

17江戸通を越えて隅田川に近づく17江戸通を越えて榊神社


何か、後から造成したのか・・・

誘われて、そのまま直進してみます。大川の先には江戸東京博物館の姿が見えてまいりました。

あっ!

17堤防と江戸博が見え、その手前に水門

江戸博・・・じゃなくて、水門!?

18暗渠の先に水門があった
18暗渠の先に水門発見

テラスに出てみよう!

19テラスに入口~水門~総武線陸橋

テラスなのに橋があるようです。

19テラス入口から大川越しの両国国技館19水門から見える両国国技館

んっ!橋だよ!!!

橋!!!

20テラスの橋

最後にも出ました~不自然!

一見、川も何もないように見えますが、テラスに突然の橋、

20テラスの水門

そして、水門。

20水がある

流れがあったのか!

しかし、どこまで、どれだけ暗渠の下の水が流れているのかは分かりませんが、流れは一応残っているようです。

どうでしたか?下町散歩?

途中で出ました、「元鳥越」「新鳥越」については以前にまとめ記事を作っております。

台東区は、旧町名などの宝庫的な地域であります。浅草・上野界隈など台東区周辺を散策する時のお役に立てば幸いです⇒旧町名案内 町名一覧

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